鎌倉でウインドサーファーが流されたというニュース(最下部)についてです。

知り合いのプロウインドサーファーの脇元祐二さんに伺いました。
このニュースは勇敢なウインドサーファーが浮いている人に気が付いて救助しようと思ったら
前線が近づいてきて、あっというまに風が南風から強風の北風に変わったため流されてしまったということ。
12人いた学生のうち6人は自力で帰ってこれたが、残りは流されてしまって救助された。ということです。

「自殺」した人というのは、マリンスポーツを愛する人達からしてみても迷惑な話だがその話はおいておいて

この季節によくおこる「寒冷前線の通過」についてまとめてみました。
徐々に暖かくなってきて、「そろそろ海に行こう!」という人達も増えてきます。
知っているのと知っていないのでは大違いです。
初心者のみなさんは、海に行くときの知識として覚えておいてください。

寒冷前線通過
当然、海に行くときには「天気」を気にすると思います。
天気というよりは、気になるのは「波」だと思いますが・・・。

せめて、前日の天気予報くらいは見ておく必要があると思いますが、中には「天気なんて気にしない」という方も多く見受けられます。

波のサイズが上がるという情報を目にすると、ウズウズしてくるサーファーが多いと思いますが
その「波」がある原因をちゃんと把握することが必要だと思います。

特に知っておいたほうがいい言葉が「前線通過」です。
その中でも「寒冷前線の通過」に関しては敏感になって損はありません。

風が突然変わる

春の陽気で暖かい南風が吹いてきて、気温も上昇!
海は人が多いことを除けば超気持ちい~ のがこの季節です。

サーファーのほとんどが、沖からくるうねりを観ながら、いいうねりをゲットしようと波待ちしていますので
ほとんど沖を眺めています。
もちろん、波に乗っているときは岸を向かっていますが、プルアウトするとまた沖に向かい沖を眺めています。

陸の奥から現れた黒い雲

まだ、まだ大丈夫でしょう~
と思っていたら、徐々に暗くなってきて上空を雲が通過。
その瞬間に今まで暖かかった南風が、突然冷たい強風の北風に変わる。
そして、気温はどんどん下がっていき、あっという間に立っていられないくらいの風が吹きまくります。

その時に、沖にいたら・・・。

パドルで帰れるくらいだったらいいのですが、突然の突風にあっというまに流されてしまいいくらパドルしても陸から離れてしまう。
前線通過に伴った強風は、20m/s以上になることもあります。
さらに突然の寒気による気温低下で、流されてるとどんどん体力が落ちてきてしまいます。

普段からガッツリサーフィンしている人でも突風には勝てません。
まして、ここ数年で始めて、今年初サーフィンなんて人だと体力も落ちているしウェットスーツで手が回りにくくなっていたりすると
あっという間に沖に流されてしまいます。

離岸流に注意
では、そんなことにならないためにどうするか?

海に入る前に天気について知っておく

今日このあとどんな天気になるか、前線は、低気圧は、風はどう変わっていくのかを知っておきましょう!
もちろん波情報サイトの近況や概況などにも必ず書いてあります。

夢中になりすぎないでまわりの様子に気をくばりましょう!

波に乗ることだけに夢中になっていると押し寄せてくる雲に気が付かないなんてことも有ると思います。
楽しみながら空の様子、雲の様子にも気を使うようにしましょう!

黒い雲が押し寄せてきたら

とりあえずは上がることをお勧めします。
その黒い雲は意外と速くやってきます。「あっという間」だったとほとんどの人が言うようにすぐにやってきますので
「あら、黒い雲が見えてきた~」と思ったら一旦海から上がって、ボードが飛ばされないような場所に移動して雲が行き過ぎるのを待ちましょう!

万が一気が付いたら流されていた

これは寒冷前線通貨じゃなくてもあることですが、沖に流されてしまったいくら頑張っても戻ってこれない。
そんな経験はしたくないですが、誰しもあることだと思います。
まず知っておく必要があるのは「潮の流れ」です。
波が沖から打ち寄せられて、岸の到達したあとその水の塊はまた沖に戻ろうとします。
所謂、離岸流とかアウトカレントとか言われているやつ。

風が変わると、潮の流れも変わります。だいたいどんな時にどんな流れが発生するかを知っている必要があります。
そのためには、そこにあるサーフショップの方や、ローカルサーファーの方に聞くのが一番です!
特に初心者のみなさんは、そういった知識のあるなしが生死を分けるということもありますので
サーフショップの方にい
ろいろと質問する習慣をつけたほうが良いと思います。

それでも、もし流されたら・・・

絶対にやってはいけないのは「ボードを離して泳ぐ」
どんなことがあっても、絶対に自分のボードを手放さないでください。

・出たところに戻ろうとするのではなく、少し横にずれてみて再度岸に向かって必死にパドルしてみてください
・近くに人がいたら助けを求める
・漁船などがいたら手を振って助けを求める
・無駄な体力を使わない

・絶対にあきらめない!

あなたの帰りを待っている家族がいます!
絶対にあきらめないで、岸にもどってきて家族の元に帰りましょう!!

強風で沖に流された大学生ら12人救助 鎌倉

21日正午ごろ、神奈川県鎌倉市の材木座海岸の沖合で、浮いていた男性を救助しようとしたウインドサーフィン中の大学生ら12人が、強風で次々と沖に流された。鎌倉署によると、男性は自殺を図ったとみられ、死亡が確認された。12人は救助され、けがはなかった。
鎌倉署や消防によると、男性の様子を見に行った数人が流され、助けようとした人らも次々に流された。6人が警察や消防の水上バイクなどで救助され、6人は自力で浜に戻った。死亡したのは近所の40代男性とみられる。
近くでウインドサーフィンをしていた女性(20)は「今日は天候がおかしくて怖かった」と話した。
2017年 02月 21日 19:09 ロイターより引用
http://jp.reuters.com/article/idJP2017022101002028

寒冷前線について超わかりやすく解説してくれています

(中学校二年の理科)